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医療保険制度を取り巻く環境と対応状況

1 現行の医療保険制度を不安定にしている要因

  1. 急速な高齢化の進行は、疾病構造の変化や医療技術の高度化等により医療費が増高し、医療保険の財政運営を圧迫している。
  2. 国保は、無職者(主に年金受給者)の加入率が高く、それに加えて平成20年秋からの経済危機により、非正規労働者の解雇等に伴い失業による無職者も加わり、市町村国保の保険料(税)の徴収等に影響を与えている。

2 安定的で持続可能な医療保険制度の構築

  1. 後期高齢者医療制度に代わる新たな高齢者医療制度について検討を続けてきた厚生労働省の高齢者医療制度改革会議において、平成22年12月20日最終報告がまとめられた。
  2. それによると、後期高齢者医療制度を平成25年3月で廃止し、国保と被用者保険に高齢者を戻したうえで、75歳以上国保を都道府県が財政運営するよう提言した。また、国保の全年齢での都道府県単位化の目標時期を平成30年度と定めた。
  3. 一方、厚生労働省は、レセプトのIT化を推進するため、一昨年11月に請求省令の一部を改正し、一部の保険医療機関を除き、平成23年度より保険医療機関からの請求を電子レセプト請求(オンライン請求又は電子媒体による請求)にすることとした。
  4. こうした動きに対応するため、国保中央会では全国統一したシステムの共通基盤を構築し、各業務機能が実行できるよう国保総合システムの開発を行っており、平成23年度から稼動予定となっている。本会においてもこの国保総合システムの導入に向けた準備を進めている。

3 国保保険料(税)収納率の向上支援

  1. 平成21年度全国の国保保険料(税)収納率は、88.01%と前年度より0.34ポイント減となり、本県の収納率においても84.77%と前年度より0.37ポイント低下し、前年度に引き続き全国で低い状況にある。
  2. 本会としても、平成16年度から滞納案件等の個別指導を行う徴収アドバイザーを設置し、市町の収納率向上のための支援事業を実施している。また、今年度は現年度分の未納者に対して自動電話催告(モデル事業)を実施しており、今後も引き続き支援事業を実施して参りたい。

4 介護保険並びに障害者自立支援に係る業務の適正執行

  1. 介護給付費審査支払業務及び障害者自立支援給付費支払業務の適正執行に努めている。また、苦情処理担当者の連携強化、苦情・相談への対応の充実等などにより介護サービスの質的向上を図って参りたい。

5 保健事業の積極的支援

  1. 国は、医療費適正化計画について、平成20年度から5ヵ年計画で国と都道府県において計画を策定し、特定健診及び特定保健指導などの生活習慣病対策に向けた取り組み等を掲げ、医療費適正化計画の総合的な推進を行うこととした。
  2. 本会としても、特定健診及び特定保健指導が保険者に義務付けられたことから、この実施に向けた支援(目標値達成のための支援を含む。)など、保険者のニーズに応じた支援を積極的に展開するとともに、地域・職域保険の連携による健康づくりを目的に設置された「栃木県保険者協議会」を有効に活用し、健康づくりによる医療費や介護給付費の適正化に資して参りたい。

年齢構成別国保加入率の推移

平成 総数 0~
4歳
5~
9歳 
10~
14歳
15~
19歳
20~
24歳
25~
29歳
30~
34歳
35~
39歳
40~
44歳
45~
49歳
50~
54歳
55~
59歳
60~
64歳
65~
69歳
70歳~
元年 35.86 24.08 27.39 29.90 31.04 23.95 22.10 24.20 28.01 29.95 32.02 36.11 45.16 63.59 71.18 67.00
5年 34.02 21.75 23.55 26.16 26.94 22.35 21.23 21.37 23.52 27.10 28.86 31.67 39.43 59.15 71.20 68.22
10年 35.56 22.59 23.23 24.28 26.00 23.84 23.70 23.07 22.56 24.52 28.01 30.33 36.46 58.54 73.34 72.80
15年 40.00 24.05 25.27 25.49 26.88 28.35 27.34 27.02 26.05 25.57 27.91 32.57 38.67 61.46 77.38 78.59
20年 34.64 21.05 22.38 23.51 23.90 24.19 24.91 24.24 24.92 24.68 25.01 28.34 36.16 55.26 74.07 78.30

厚生労働省保険局調査課編「国民健康保険実態調査報告」より。数字はいずれも9月末現在。
注)平成20年度「70歳~」の数字は「70~74歳」までの加入率である。